風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その233)

『シンボルが必要なのは解るが、それがハリボテでは滑稽なだけだ』


 なーんちゃっ…た。(挨拶)


 晴れたもののやや気温は下がり、特に朝夕は冷えた。しかし冬の空気にいよいよ冴え渡る(何がでしょう?)。
 昨日、2人の元厚生省事務次官宅が襲撃を受け、かたや夫婦共に死亡、かたや妻の方が数箇所を刺され重症という事件が起こった。犯行声明などは出ていないようなので、犯人の目的や思想は窺えないが、襲われた元事務次官はどちらも年金制度に関わる仕事をしていたらしく、そういう部分での関連性が疑われている。そんな背景があるからか、すでにネット状の一部では犯人の行為を賞賛する声も見られるが、建前でもなんでもなく誉められたものではない。これほどに意味がなく、警察の手を煩わせるだけの行為があるだろうか。
 主にマスコミは今回の事件を“テロ”と称してしきりに煽っているが、これはテロなどではない。テロとは特定の思想を国家、あるいは他人に対し強制するために暴力的行為に訴えることだ。最近では社会不安を引き起こすような行為そのものをテロと称する向きもあるようだが、いずれにせよ今回の件には当てはまらないと考える。
 まず犯人は犯行声明も何も出していない。今回のように特定の分野に対して何らかの思想や強制したい方策があるのならそれを行わなくては意味がない。それをせずに殺人までしておいて、後のことは知りません、自分の言いたいことを理解して(犯人の考える)良い方向に進んで下さい、ではワガママを喚き散らす子供と変わらない。そして当然、こんなことでは社会は不安になど陥らないことは明白だ(不安になるのはごく一部の人で、しかもそれすらお門違いの脅迫効果だとすら言える)。故にこの事件はテロなどでは断じて無い。せいぜいが、自称愛国者(おそらく単独)が浅い考えでループした挙句、耐え切れなくなって衝動的に短絡的な行動に出たという程度の話だ。


 だいたいなぜ元事務次官なのだろう。退官した公務員は、もう一般人だ。過去の仕事を理由に目の敵にするのは筋違いだし、やはり意味が無い。しかも妻の方まで手にかけるのは非道以外の何者でもない。少し前の防衛省事務次官の件で配偶者の方も印象が悪いのは想像できるが、一緒くたに物事を捉えるのは愚かだ。こういう部分からも、やはり犯人は短絡に過ぎるのではないかと推察できる。