風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その332)

『結局、本当の公式など原作者の頭の中にしかない』


 個人的には『精霊ルビス伝説』は支持している。(挨拶)


 曇りのち小雨。正午前後から少しずつ降り始め、以後、ずっと雨。
 ドラゴンクエストシリーズは派生作品やメディア展開が激しいため、いわゆる正史というものがハッキリしない。ゲームのナンバリング作品だけを信じるならば、取りあえず分かっているのは――


1、1〜3と4〜6はそれぞれが同一時間軸の世界
2、1〜3には地上世界とアレフガルド世界がある
3、地上世界には竜の女王という世界を見守る者(管理者?)がいる
4、アレフガルドではルビスという精霊神が崇められており、大魔王に捕まって石にされている
5、そのルビスと同名のキャラ(ライフコッドの住民は彼女のことを“精霊様”と呼んでいる)が6の海底にいて、ムドーのいた島には昔から何度も邪悪な者が住み着いた、という意味深な発言をする


――で、3のルビス=6のルビスならば、4と5から1〜6は全て同一時間軸上にある世界(4〜6はアレフガルド?)ということになる(ただしあくまでも彼女は神なので、いくつかの時間軸を行き来できても不思議はない)。また――


6、8ではレティスという世界を越えることができる巨鳥が存在し、主人公たちはその背中に乗ることができる。これは3のラーミアと同一で、レティス自身も、かつて自分は別の世界でラーミアと呼ばれていた、と語っている
7、8には竜神族という種族がいて、それなりの人数がおり、種族の王は巨竜となり主人公たちに試練を与える。その姿は1のラスボス竜王に酷似している
8、8には3のラーミアの卵の守護者の双子を彷彿とさせる、レティスに関わる双子が出てくる


――ということから8も同一時間軸の別世界の可能性がある。6だけを素直に受け取るならば、8の世界は地上世界とアレフガルドに続く第3の世界ということになる。しかし7を考慮すると、何故わざわざ竜王を彷彿とさせるような種族を出したのかという疑問に行き当たる。
 ここに風鈴製作者が『精霊ルビス伝説』を支持する理由がある。『ルビ伝』は“イデーン”という精霊たちの住む異世界を舞台に、世界に魔物が満ち溢れた原因や魔法の起源についてが書かれているのだが、他にもラーミアが登場し、本来、神をその背に乗せて天界と地上を行き来できる鳥であると明言されている。このことを考えると、8でレティスが語る“自分がラーミアと呼ばれていた別世界”とは『ルビ伝』のイデーンのことではないかとも考えられる。ラーミアが地上世界に渡ってきた際に、ラーミアという呼称が正しく伝わらず、人間たちが勝手にレティスという名で呼んだのではないだろうか。そして8で明らかにされたラーミアという名が主人公たちによって広められ、3の世界へと続いていくのではないかと考えている。そう考えると、竜神族や双子の存在も納得ができる(ちなみに8主人公たちが手に入れる船も『ルビ伝』への関連を疑っている)。
 以上から、風鈴製作者は8→3→1→2→(かなり大きな時間的断絶)→6→4→5だと思っている。異論は認めるし、証拠はない。


 現在、ヤングガンガンで『ロト紋』の続編を書いている藤原カムイ氏はガンガンで連載していたDQ7のコミックで、7のグランエスタード城の地下に『おうじゃのつるぎ』があることや、派生作品である『キャラバンハート』の状況からキーファ(というかグラン家)がロトの子孫であると推察している。これを支持するかどうかに関わらず、こういった楽しみ方ができる物語というのは優れていると素直に思う。