風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その330)

『混ぜても一緒? そんな馬鹿な。黄身は黄身のままだし、白身メレンゲになる』


 ゴーメンナサイヨー、ゴーメンナサイヨー、…ウリャアアアアァァァァ!(挨拶)


 朝は曇っていたが、昼くらいから雨が降り始め、その後、夜までシトシトと。気温は昨日よりもさらに低かったが、やはり湿度のせいか、手がかじかむようなことはない。
 料理は化学である。焼く・煮る・炒めるなど、全て化学変化を見込んだ行為だ。ただ、化学の実験などと違うのは、調味料の配分や調理の加減にはかなりの幅が許されるということだ。料理にもレシピという数値化された混合比があるが、そこからいくらか逸脱したところで別のものが出来上がるわけではない。一方、化学実験ではそうはいかない。何しろ1g加減を間違えただけで、まったく異なった結果になるのだから。
 ただ、料理はある種の化学であるという意識を持っていれば、回避できる失敗もある。化学実験においてA・B・Cという薬品があり、3種全てを同時に混ぜるのと、A/2とB、A/2とCをそれぞれ混ぜ合わせたものをさらに混合するのではまったく結果が違ってくる。これは料理でも起こり得ることだ。何故そうなるのか、ということは化学変化という現象を意識していれば充分に理解できるはずだ。


 化学をひたすらに忌避しようとする人には、焼くという行為が酸化させている行為だということすら信じようとしない。しかし炭素を燃やすとCO2が発生することは理解していたりするのである。不思議な思考形態だと言わざるを得ない。