風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その258)

『世は無常。事実は変質し、常識は変遷し、全ては忘れ去られる。いつかは』


 あれ…CDから起動できないみたいですよ。(挨拶@ROM版コミケカタログ)


 朝は少し雨が降っていたけど、じきに止んだ。日中は寒かったようだが、朝夕はさほどでもなかった(この時期の朝夕にしてはという意味)。
 “ハイポジ”と言葉を聞いて、すぐに何のことか判るだろうか。多分、20代後半以上の人ならすぐに思い出せるだろうが、磁気式カセットテープの一種のことである。廉価なテープ(ノーマル)に対する上位互換テープという認識で良い(ノーマルとはテープの材料そのものが違う)。しかしこれが20代前半よりも若い人には何のことやら、まったくと言ってよいほど通じない。彼らが初めて経験した主な録音媒体はカセットではなくMDなのだ。つまり“頭出し”という行為そのものを知らない人も多い。この辺りにベルリンの壁クラスの強固さを持った壁を感じる。
 ところで“ベルリンの壁”と例えたが、これもあと10年もしない内に若年層にはあまり通じなくなるだろう。何しろ現状ですでに、赤軍って何ですか?、とか、ベトナム戦争? よく分かりません、という人も多い。もちろん知らなくても問題ない場合も多いが、そういった歴史的な出来事と深く関わった世代、あるいは国の人にしてみると、知らないこと自体に不快感を覚える場合もある。そういう状況を回避し、身を守る意味でもある程度の歴史的知識を身につけておく方が安全だ。


 太平洋戦争の補償問題は現在でも後を引いているが、そのことを指して、いつまでもしつこい、という意見もたまにある。しかしこういった問題は、少なくとも実際に何らかの被害を受けた世代が亡くならない限りは続くのが普通だ。恨み言はそう簡単には忘れないものである。どちらかというと簡単に過去のことを忘れてしまう傾向にある日本人の方が特殊であろう。