風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その255)

『法律の傾向は制定された時代の世相を表す――――傾向も無きにしも非ず』


 なんかまたYahoo!でID乗っ取りが起こってるみたいですよ。(挨拶)


 今日も暖かい。朝からずっと快晴だったものの、15時前から強風が吹き荒れた。夜には再び穏やかな天候となった。
 ペットを飼っている人は非常に多い。風鈴制作者が子供の頃と比べると、様々な動物が飼われ、その品種も多岐に渡る。また飼い主の増加に伴い悪化することもなく、(主観的)対外的マナーも良くなってきている。昔は頻繁に犬の排泄物を見かけたものだが(現在25歳以上の人でアレを踏んでしまった経験のない人はいないのではなかろうか)、最近では週に1回見かけるくらいになった。
 しかし一方で捨てられるペットの数は増加の一途だ。動物の愛護及び管理に関する法律(第四十四条)によると――


1 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行つた者は、五十万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、五十万円以下の罰金に処する。


――となっているのだが、いったいどれくらいの飼い主がこの条文を知っているのだろう。犬や猫を捨てることは少なくとも第2項に抵触する(飼い猫の場合、野良としては生きていけないというのが定説なので拡大解釈すると第1項かもしれない)。マナーは良くなったが、モラルが低下していると言えるかもしれない。まあいい、そんなことを書き立てたいわけではない(相変わらず前フリが長い)。
 上記3項でいう“愛護動物”とは同44条4項にて定められており、牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひるの11種と人に飼われている哺乳類、爬虫類、鳥類である。前述11種に関しては人に飼われているかどうかは問題ですらないのだ。しかし逆に言うと、両生類、魚類、その他無脊椎動物は人に飼われていても愛護動物には当たらないことになる。仮に飼っている金魚を誰かに故意に殺されたとしても、動物虐待ではなく、器物損壊が適用されるようだ。
 どういう基準で“愛護動物”が定められているのか不明だが、少なくとも人類に近縁であるということが前提で、指定11種を見る限り、人間社会に強く結びついている動物であることが条件のようだ。しかし犬、猫、いえうさぎ、いえばとを除くと、残りは愛玩動物というよりは家畜の類である。なるほど、つまり人間社会に利益をもたらすかどうかが重要だと判断されていると思われる。――――なんか違くね?


 この国にはずいぶん昔から鯉や金魚などの淡水魚を飼う文化がある。そういったものを愛護動物に加えていない辺り、ますます利益偏重なのだと感じられる。何しろこの法律、施行されたのが1973年だ。高度成長期に考えられた法律なのである。