風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その151)

『勝手に財産が増えるという発想の方が異常』


 利率5%なら経験があるよ。(挨拶@歳がバレる)


 日中は晴れ。湿度は高く不快であるものの気温はさほどでもない。夜になってからまた断続的に豪雨が続き、雷も長時間に渡って発生した。
 最近のこの国はずーっとゼロ金利状態なので、多分、若い人(風鈴製作者よりもいくつか以上若い、という意味)は金融機関にお金を預けておけば勝手に財産が増えるという認識はまったくないだろう。しかしバブル期以前は確かに増えていると実感できるだけの利息が発生する状態だった。年率5〜7%なんて時代だったのだ。だから、宝くじで1億円を手に入れれば利息だけで生活ができる、なんて言葉もよく耳にした。
 もっともインフレもそれと同等に発生し続けていたので、実質的には利益を得ていることにはならないのだが(今の中国が同じような感じだ)、ともかく一般的認識として預貯金はお金を増やす行為だったのである。しかし現在ではそんな考えなど消え失せ、少しでもお金を増やそうと思っている人は各種の投機に走っている。しかしそれは常識的に勝手にお金が増えると思う方が異常だったということであって、それなりに頭や体を使って動く人間が、そうでない人間よりもいくらか得をするという普通の状態になったということだ。何も不思議なことでもなく、嘆くようなことでもない。


 ここ最近の動きとして、スタグフレーション(インフレーションだと主張する人もいるだろうが、この国の景気が後退しているのは明白だ)の状態だ。原因は穀物原油の高騰で、オイルショック時に似ているが、しかし今回は原油価格が元の鞘に納まるとは考えにくい状況だ。多分、このまま今までより少し不便な時代に入っていくだろう。