風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その146)

『人は自らが望む自分にしかならない』


 もうキミを放さない。(挨拶)


 朝から小雨がパラつき、涼しい。終日そんな感じで、傘は手放せなかったものの快適な一日だった。上野で所用を済ませた後に、そういえば劇場アニメの『スカイ・クロラ』がやっていることを思い出し、映画館の場所を確認したのだが、日曜(しかも開園時間直前)だというのに建物周辺はやけに静まり返っていた。…まあ、いいや。
 人は自分がそうなろうと思ったものにしかなれない。もちろんこれは人間関係や内面のことであって、職業や肩書きの話ではない。例えば清廉潔白であろうと本当に思っていれば、その人物はそうなるしかない。それ以外の自分になることを自分自身が許さないからだ。ただし、何か特定の自分になろうと思う、その発端が外部からの要因に占められていてはすぐにその決心は破綻する。そこには打算や言い訳が発生するからだ。


 真実、何かになりたいという自分自身から発生した願いは些細なことでは揺るがない。そこには数値化される計算がないからだ。それは単純であるほどに強固であるという理屈に似ている。