風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その144)

『人には変わらず在り続ける座主がいる』


 広大な屋敷の中
 伽藍の最奥にその“座”はある


 そこに在るは摂理を識る無垢姫
 彼女に傅くは無数の幻像
 そして背後に貼り付けられた物言わぬ残骸


 姫はその骸を愛している
 それが骸であることを嘆き続けている
 いつか骸に還ることを願っている


 ――――生死を還す白き姫が現れた。


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