風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その98)

『二者択一しかないのか。前提から考え直すことも必要だ』


 どんどん作るのだー。くんくん香るのだー。(挨拶)


 深夜に雨が降ったらしく、朝起きると地面が濡れていた。天気は軒並み曇りで、15時ごろに少しにわか雨。気温は昨日までと比べると格段に低く、涼しい。――――涼しいは正義。
 ネットで適当にニュースを読んでいると、ホームレスの男性が就職して自立するために生活保護を受けようとしたら申請が受理されなかったとして裁判を起こした、という記事を見かけた。本人の詳しい状況が分からないが、しかしこれで支給されないなら、どういう状況なら生活保護とは支給されるのだろう?
 この記事を読んでいくらかの人が発想しそうなことは、ホームレス全員に生活保護を支給したら行政負担が大きすぎる、というところだろうか。確かにホームレスは都内だけで数千人いると言われているので、それなりの負担になる(ちなみに生活保護受給者には医療費免除などの特典もある)。しかしそれはホームレスに限らず、ずっと以前から言われていたことで、今さらな話である。
 そもそもいきなり生活に余裕ができるほどのお金を与えて、あとは好きなように就職活動すればいいという方針自体がおかしな話だ。なぜ無償で金銭を渡すことが是とされているのか不思議でしょうがない。せめて奨学金制度のように“貸す”というスタンスならば理解できるのだが、現状のやり方では甘やかしの誹りからは永遠に免れないだろう。


 思想や行動の自由は尊重されるべきものだが、それは自立している人間に適用されるものであって、何かに寄りかかって生きている人間は、支援している側からある程度の制限を受けるのが自然ではあるまいか。