風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その83)

『優れていることを表現する言葉は多く、頻繁に用いられるが、その逆は虐げられている』


 にょろーん。(挨拶)


 朝から小雨が降っていたが、雨足は徐々に強まり、夕方以降は強い雨となった。湿度が高く、室内では不快極まる。しかし夜になってからは気温が下がり、涼しくなった。
 千里眼や地獄耳、二枚舌など良い意味にしろ悪い意味にしろ、能力的に優れていることを示す言葉は多いが、しかし逆に平均よりも劣っている能力を指す言葉は少ない。あるにはあるが、それは障害や病理によるものを示すものがほとんどだ。
 たとえば地獄耳に対して、都合の悪いことはけして耳に入らないようなことを皮肉った言葉があってもよさそうだ。たとえば地獄耳 = デビルイヤーだから、エンジェルイヤーなんてどうだろう。天使って結構、人間の言うことになんて耳を貸さないみたいだし、ちょうどよいと思う。


 多分、古い言葉を捜せばそういう言葉もたくさんあるとは思う。しかしそういうネガティブなイメージから少しでも離れたいという願望が働いたのか、それとも洒落や皮肉という言葉遊び的文化が廃れたせいなのか、現在は優れていることばかりがただ単純にひけらかされているような気がする。