風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その82)

『円環の限界速度を越えて回し続ければ、歯車は軋みを上げる』


 俺/ボク/私は○○になる!、みたいな台詞って多いよね。(挨拶)


 朝から日没にかけては曇天。相変わらず湿度は高く梅雨っぽい天気。夜になり雨が降り出した。
 探している本がamazonになかったので、しばらくぶりに古書店で探すことにした。秋葉原に用事があったので、ついでにBOOKOFFにも行ってみたのだが、どこか異質さというか、薄ら寒いものを感じた。現在、古書店はどこにでもあるが、ここまでの店舗数がありながら、それらが一定の利益を上げているのであろうことはある意味で奇妙ではないか。
 古書店の品揃えが充分であるためには当然、出版物そのものの絶対数が多くなければならない。しかしamazonのようにネットワークを介した一般人の出品があるならばともかく、実際に店舗を構えていながら、その全てが相当数の客を満足させるだけの蔵書量を誇っているのは異常と言ってよいと思う。出版大国なんていう言葉もあるが、その実態が新刊廃棄数世界No.1大国であることは周知のことだ。何しろ文芸書だけでも年間廃棄数は1億冊をゆうに越えているというのだから、やはり無駄な本を作り過ぎなのである。


 総発行部数○○万部なんていう売り文句がよく本の帯に印刷されているが、発行部数とは実売部数ではない。そんなもので本の価値は量れないし、むしろその内のどれくらいが古書店に流れて、無駄に版を重ねているのだろうという邪推の材料くらいにしかならないだろう。