風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その60)

『斯くあらねばならないのなら、人である必要はない』


 「影は影に」
 そう仲間の誰もが囁いた


 でもどうして?


 こんなにも近いのに
 こんなにも鮮やかなのに
 彼女は黙ってそれを見続ける


 土は土に
 塵は塵に


 けれど彼女はそれに耐えられない


                   Cainash=Abord