風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その57)

『リアリティとはある種の嘘である』


 忘れ去られそうなものシリーズ3。瓶ジュースの自動販売機。(挨拶)


 昨日よりもさらに気温は上昇し28〜29℃くらいだったようだが、同時に昨日に輪をかけて乾燥していたので、やはり暑くはなかった。やはり湿度は重要だ。
 『ジョジョ』第3部のOVAコーランがらみの描写でイスラム圏の批判を受けているらしく、OVAとコミックの第3部が販売停止に追い込まれているとか。OVAの作中でDIOコーランを読みながら丞太郎たちの抹殺を命じているシーンが問題とされているらしいのだが、どうも制作会社がアラビア的な雰囲気を出そうとして資料参考にしたコーランをそのままに採用していることが原因のようだ(原作にはそんな描写は無い)。
 物語におけるリアリティとは、物語を現実に近づけるものではない。あくまでも“作品世界”内における必然的構成要素として存在するものであり、必ずしも現実のそれと同様ではないのである。実のところこのことは『ジョジョ』を例に挙げると説明しやすく、かの作品に頻繁に描写される奇妙な擬音や不可思議なポーズなどは現実において明らかに不自然極まりないものであるが、しかし『ジョジョ』という作中において、テンションの高まりや奇怪な現象を表現するのに大きく寄与している。つまりそういう現実においては明らかに嘘となる要素こそが、物語における自然な流れを作り出し、空想でしかない物語を確固たる存在へと押し上げているのである。


 だからたとえ現実に酷似した世界が舞台だとしても、わざわざ現実に存在する要素をそのまま持ち込む必要はまったくない。ましてやそれがどこかの誰かを不快にするようなものならば尚更だ(もっとも上記の一件は偏向報道との報告もされているが)。