風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その7)

『往来の真ん中で座り込んだり、寝そべったり。いいんじゃない? その内、気付くから』


 これはもはや常識だ。(挨拶)


 朝はやや曇りながらも晴れていたが、昼前に急速に暗雲が広がり強い雨に。以後も断続的にパラパラと降り続け、20時前には再び雨足が強まった。気温は高く、蒸し暑い。風鈴製作者は早くもグロッキー(弱っ!)。
 何年か前からモラルハザードなどと言われて、マナーのなっていない人間の増加がが各所で取り上げられている。しかし実際にそれほどマナーを弁えていない人間が増えたのかと言えば、断言はできないだろう。
 確かに公共の場で、周囲の目を顧みないような行為をする人間は目立つようになったとは思う。しかしそれがモラルの低下を裏付けるものかといえば、必ずしもそうではない。どちらかと言えば、そういった行為を黙認し、許容するような穏やかで優しく、忍耐強い人間が増えたということだと思う。
 確かに他人に暴行を加えたり、破壊活動を行っている人間を見かけたら何らかの対処をすべきであることに間違いはないが、しかし一般に“モラルが欠如している”とされている人間はそこまでのことをしているわけではない。自らに無関係であり、実害が及ばないのであれば、静観することはけしておかしなことではないだろう。


 もとより周囲を顧みずに勝手な振る舞いを続けていれば、誰からも信用されないし、害を及ぼすようなことをすれば、当然、それ相応の報いを受ける。最終的に損をするのは当人であって、わざわざ事細かに注意する義理も無い。それでも忠告してあげようと思うことは、紛れもなく人の思いやりというものであろうが、それを思いやりと受け取る素直な人間は稀であろう。