風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(その326+365+347)

『犬と猫のどちらか一方だけしか愛せない人間はとても正直な人間だ』


 ※この日記は、風鈴製作者のそのときの気分によって内容が激変する可能性を孕んでいます。多趣味的人格(多重人格性とも言う)を認めない人にはきっと耐えられません。あしからず。


 まあ、犬と狼はまったく同じ生き物なんですけどね。(挨拶)


 今日もよく晴れて、さらに暖かい。昼間は窓を開放していても心地よいほど。布団を干したら、飼い猫がその上でゴロゴロ。牧歌的な姿に癒される。
 アニメの『狼と香辛料』がそこそこ面白かったので、原作小説に手を出してみた。現状、1巻を読了したが、なるほど、動物擬人化モノで人間のことをよく解っていないキャラクタがアレコレ動き回って人間の主人公を振り回す物語は相当数あるが、コレはそういうものとはやや異なるアプローチで興味深い。
 “人間”をよく知っているくせに世間のことにはやや疎いというのは、世間のことに知悉した行商人の主人公と絡ませやすいし、よく考えてから必要性に応じたキャラクタを作っている印象がある。また必要以上に伏線をハッキリとした形で回収させるところからするに、作者の支倉凍砂氏はA型だろうと推察。まあ娯楽小説である以上、読者に不完全燃焼感を与えないためにもそうする必要があるのだが、あまり現実味のない話であることは否めない。現実において、特定個人が全ての事情を知ることなど、そうは無いものだからだ。


 ところでホロの本来の姿が恐怖の対象をして描かれているのだが、アニメを見ても、小説の挿絵を見ても、ちょっと大きい犬にしか見えない。あくまでも狼を人間にとっての外敵として描くのは理解できなくもないのだが、実際の狼はそれほど人類の敵対者というわけでもなく、耕作地を荒らす草食獣を減らしてくれる益獣の側面もある。だからこそ作中の村でも“豊作の神の化身”とされているはずなのである(この先、ちゃんと解説されるのかもしれないが)。


狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)