風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(その298+347)

『どんなに真実だと思っていようとも、その保証はない。保証自体とて、そうと思い込んでいるにすぎないのだから』


 ※この日記は、風鈴製作者のそのときの気分によって内容が激変する可能性を孕んでいます。多趣味的人格(多重人格性とも言う)を認めない人にはきっと耐えられません。あしからず。


 ドメインは個人所有ではなかったとかどうとか。(挨拶)


 日中は快晴。風もなく、死ぬにはいい日だった。もちろんそんなことは思っていないが。夕方から曇が広がった。
 銀河鉄道999に登場するキャラで、サケザンという男がいる。簡単に紹介すると、『サケザン大陸』というジャングルだらけの星を支配している、まるでターザンのような男なのだが、作中、彼は“男の中の男”と評されている。
 基本的に酒好き、女好きの粗野な男なのだが、自分が認めた強い男(作中においては、もちろん鉄郎なのだが)の持ち物には手を出さないという人物で、一度攫って自分のものにしたメーテルを、自ら鉄郎の元に返したりする。
 一般常識的には平気で人を攫っている時点で危険人物なのだが、しかし現実においても、ありとあらゆる人間が満たされる条件下にない世界では、結局、全てのものは先を争った奪い合いだと言える。同様に、『サケザン大陸』は人間がサケザンとライザという女性の二人しかいなかった。満たされているとは言いがたい世界なのである。
 だがそれでも、サケザンはせっかく手に入れたメーテルを手放した。それは鉄郎の意志を尊重した結果だったろうし、そこには間違いなく優しさがある。


 では見も知らぬ人間からなら略奪していいのか、という問題ではない。それはまた別の問題である。ただサケザンには上記のような自らに課したルールがあり、それによって自らが損害を被ろうとも遵守する意志があるということだ。そういう在り方は、やはり美しいと思う。