風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(その249+347)

『その人の挙言動を鮮明に覚えていることは、その人物を牢獄に閉じ込めているに等しい』


 ※この日記は、風鈴製作者のそのときの気分によって内容が激変する可能性を孕んでいます。多趣味的人格(多重人格性とも言う)を認めない人にはきっと耐えられません。あしからず。


 俺は彼女に“座”を明け渡し、その全てを保存した
 そうすることが彼女をここに留める、唯一の手段だと信じたんだ


 そして彼女はずっと俺と共に在った
 そう、彼女は永遠になったんだ


 けれど、それは彼女にとって、永遠の孤独でしかなかった


 だって、そこにはもう俺がいない
 一番そばにいなければならなくて
 一番そばにいたかったその場所に
 …もう、俺は存在しなかった
 彼女は、とっくに俺の一部だったというのに…。


 そんなことにずっと気付かなかった――――愚かで哀れな“幻想投影機(ホログラフィ)”


                                        Cainash=Abord