風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(その153+347)

『欲望に抗うばかりが能、であってはならない』


 ※この日記は、風鈴製作者のそのときの気分によって内容が激変する可能性を孕んでいます。多趣味的人格(多重人格性とも言う)を認めない人にはきっと耐えられません。あしからず。


 今日はすっきり晴れた。それなりに気温は上がっているらしいが、暑いとは感じない。素晴らしい。
 知人と気候について話していると、ほとんどの人が風鈴製作者の“風が変わった”という表現を誤った意味に理解してしまうようで、まだ暑いじゃないか、とか、30℃もある、とか見当違いなことを口にする。だから、この日記でも何日か前に同じ言葉を書いたし、一応、詳しく解説しておこうかと思う。
 大気中の熱というものは、太陽に対する地球の傾斜度によって流動するときの勢力が定まっている。北半球ならば、夏に南から北へ暖かい空気が強く流れ、宇宙への熱放射量よりも供給される熱量の方が大きいため、暑くなる(というか、だから夏になるのだが)。逆に冬は放射される熱の方が供給を上回るため寒くなる。
 こういった大気の変化は非常に緩慢で、徐々に徐々に変わっていくので、明確な季節の境目というものは存在しない。気が付けば涼しく(暑く)なっているという具合だ。
 だが、風向きやその質感は別だ。ある時点でふと変わっていたりする。ここ数日は、明らかに2週間前までの風とは違う。そういった凡人でも感知可能な変化を差して、“風が変わった”と言っているのであって、必ずしも気温の暑い寒いを言っているのではない。


 しかし……このように解説しても、やはり判らない人には判らないらしい。個人的には、夕立の雰囲気を感知する程度の感性があるなら、簡単に気付くと思うのだが…。