風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(その99+347)

『人を笑わせるコツは、幼さと計算されたアバウトさだ』


 ※この日記は、風鈴製作者のそのときの気分によって内容が激変する可能性を孕んでいます。多趣味的人格(多重人格性とも言う)を認めない人にはきっと耐えられません。あしからず。


 だめだ、こりゃ。(挨拶)


 曇り。一向に降らない。
 今更ながらにいかりや長介氏のエッセイ『だめだこりゃ』を読んでいる(まだ序盤)。風鈴製作者はけして『全員集合!』世代とはいえない(どちらかというと『カトちゃんケンちゃん』の世代だと思う)が、しかしいまだにあの番組の記憶は色褪せない。
 文章を書いている途中で、お話の流れの中で自然に思いつく笑いのネタは大抵、ドリフ的な(集団の中で一人だけまったく違う行動をとっている、など)ものが多い。相当に風鈴製作者のコメディ感覚の根底に食い込んでいるのは間違いなく、まさに三つ子の魂である。
 『全員集合』内でのネタはいかりや氏主導の下に、徹底的な計算によって構築されており、本番中のアドリブは一切許されなかった、というのは有名な話だ。しかし舞台上での動きや台詞は実に自然で、かつアバウトな印象を受ける。この辺りの背理がドリフターズの人気の秘訣だったのだろう。


 彼らはけして芸人ではなかった。だからこそ既存の笑いに囚われていなかったとも考えられるが、しかし彼らの本当の凄さはそれぞれの個性であり、それをまとめ上げ、生かしきったいかりや氏はやはり一代の巨人だったと思う。


だめだこりゃ (新潮文庫)

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