風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(その29+347)

『現実において、極めて綿密な計画的殺人は滅多に起こらない。犯人にそこまでの精神的余裕がないからだ。故に殺人などという短絡的な行為に至る』


 ※この日記は、風鈴製作者のそのときの気分によって内容が激変する可能性を孕んでいます。多趣味的人格(多重人格性とも言う)を認めない人にはきっと耐えられません。あしからず。


 テストプログラムを製品に組み込んでしまうミス。(挨拶@私信)


 曇り。昼過ぎから降り始める。風も強く、出歩くには向かない日。しかし植物は強い。ツツジタンポポも一斉に花を咲かせている。銀杏も葉を伸ばし始めた。凄いエネルギーだと思う。
 自宅に振り込め詐欺の電話がかかってきたらしい。振り込め詐欺には大別して“脅し型”(アダルトサイトがどうとか系)と“同情・泣き落とし型”(オレオレ系)があるが、今回は後者。
 電話を受けたのは母。


母「はい、もしもし」
?「あ、オレ、オレ」
母「…どなたですか?」
?「○○(兄の名前)だよ」
母「声が違うんじゃない?(ニヤリ)」
?「……(ガチャリ)」


 あっさり看破!
 おかしいと思ったかもしれないが、上記のやり取りには偽りはない。ウチは電話をとっても自分の名前を名乗ることはしない。イタズラや勧誘への対処法として10年位前に風鈴製作者が提案して以来、そういう制度になっている。
 電話をとったらまず自分の名を名乗るというのは、相手の立場が自分たちよりも上の場合が多い会社組織で生まれた風習だと思う。それが一般常識になったものだろう。しかし一般家庭においては相手の方が急な用件や頼みごとを持ってくる場合の方が多い。つまり相手との立場は対等、もしくは相手の方が下なのだ(無論、例外もあるが)。故に電話を取る側が名乗る前に、かけた側が名乗るのが筋だろう。
 それはそうと――――上のやり取りを見ると、オレオレ詐欺も一歩進化したように感じる。完全なランダムではなく、少なくとも一個人の情報(今回の場合、兄)を元に電話をかけているからだ。計画性が高く、データに基づいてピンポイントで狙ってきている。例えるなら絨毯爆撃ではなく、ミサイルによる重要拠点攻撃といったところか。


 とはいうものの、やはりそういった犯罪が存在することを前提に考え、あらかじめセキュリティを高くしておくことは、今後一層重要なことになっていくだろう。この国は道徳社会で周囲と協調する、という感性が強い。しかし現代社会においては完全な外部からの不正なアクセスが多い。何も考えずにボーっとしていればついばまれるだけである。