風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(その165)

 女性に歳を尋ねるのは、禁忌の所為であるという。
 身近な例を挙げるまでもなく、恐らくそれは普遍的な真理なのだろう。
 肉体の外面を最重視する彼女らにとって、経年劣化は神から授けられた忌々しい呪いだ。
 そのことから演繹すれば、無思慮に誕生日を祝うという行為もまた、危ういものではあるまいか。
 幼女と言えるような若年ならばまだしも、次第に微妙さを増していく過程にある相手に対しては、配慮して過ぎることはない。
 いやむしろ、定型化した套言を積極的に転換することこそ、閉塞された現代には必要とされるのではなかろうか。


 ※この日記は、風鈴製作者のそのときの気分によって内容が激変する可能性を孕んでいます。多趣味的人格(多重人格性とも言う)を認めない人にはきっと耐えられません。あしからず。


『誕生日、ご悲嘆いかばかりかとお察し申し上げる』
『なんだとっ!?』


 ――――なんとなく逆にしてみました。どう?