風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(その138)

『誰かの死を望むことは罪ではない。死を求めて行動することが罪である。しかしその境界は不確定だ』


 ※この日記は、風鈴製作者のそのときの気分によって内容が激変する可能性を孕んでいます。多趣味的人格(多重人格性とも言う)を認めない人にはきっと耐えられません。あしからず。


 体は冗句で出来ている。(挨拶)


 第51回江戸川乱歩賞受賞作『天使のナイフ』(薬丸岳)、読了。
 風鈴製作者はこういう大きな賞の作品はあまり読まないのですが、たまたま手に入ったので読んでいました。
 で、感想ですが、これといったトリックも無いのでミステリ好きにはイマイチかと。しかし事件に至る人物たちの相関関係は複数に渡り絡み合い、主人公の擦り切れギリギリの心理は現実感にあふれているため、物語として非常にリアルでした(リアルすぎてライトノベルのような作風を愛する人にはついていけないかもしれませんが)。
 後半でいくつか唐突に知らされる事実があるため、少し首を傾げるところもありますが、推理部分も突飛過ぎたりはしないので良作だと思います。


天使のナイフ

天使のナイフ