風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(その44)

『経験が遺伝するならば、もしかしたら戦争はなくなるかもしれない』


 ※この日記は、風鈴製作者のそのときの気分によって内容が激変する可能性を孕んでいます。多趣味的人格(多重人格性とも言う)を認めない人にはきっと耐えられません。あしからず。


 “パチンコ”をご存知だろうか?
 いや、もちろんよく駅前にあって、チャンチャンバリバリしているアレではなく、ネズミ捕り用の罠で、針金による張力作用でバチンッ、と挟んでネズミを捕まえる(殺す)ヤツのことだ(わからない人は、“ガムを取ろうとすると指が挟まれるイタズラ玩具”をイメージするといい。ちょうどあんな感じだ)。
 風鈴製作者が子供の頃に住んでいた家は非常に古く、築50年ほどの木造2階建てだった(はじめは平屋だったようだが増築したらしい)。あちこち増改築したらしく、居住性はまあまあだったが――――驚く無かれ、なんと風呂が木材で出来た五右衛門風呂もどきだったのだ!(※平成初頭までこれでした)そしてその風呂の床面が石材で(豪華なものなどイメージしてはイケナイ)、炊事場の排水も兼ねて下水道に直結していたのである。
 これで解ったと思うが、当時、私の家には非常にネズミが多かった。よってその駆除用罠であるパチンコも慣れ親しんだものなのである。
 しかし最近この話を都内近郊の友人に話したのだが、


『パチンコって、何?』
『つーか、ネズミなんて今時いないだろ』


 ――とか言われる始末。
 もちろん風鈴製作者は今現在でも都心には、文字通り腐るほどネズミ(主にドブネズミとクマネズミ)がいることを知っています。繁華街を朝方散策すればいくらでも見つかることでしょう(あと地下鉄のホームから線路の間にある排水溝をよく見ればチョロチョロしているのがわかる)。
 もしかして埼玉や千葉の新興住宅地にはいないのだろうか?、とも一瞬思いましたが、まったく論理的でないことに一刹那で気づき、おそらく友人たちはそういうことに関心が無いから気づかないだけだ、と判断しました。ある意味その鈍感さが羨ましい。そんな出来事でした。