風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(4年目その178)

『果たして人間は本当のことを示せるだろうか。言葉にした瞬間、全ては嘘になる』


 あれ、小泉元首相、引退ですって。(挨拶)


 正午くらいまでは曇っていたが、14時くらいからよく晴れて、やや暑く。夜になってからはやや強めの風が吹き始め、ほどよく涼しくなった。
 言葉とは万能ではない。自分の思ったこと、感じたこと、それらをどんなに正確に表現しようとしても、どこか自分の内側にあるモノとは合致しないものがある。それは相手の受け取り方とか、そういう問題ですらなく、自分と言葉との戦いだ。否、戦いなどではない。そもそも言葉とは“無い”ものだ。音として発せられて初めて存在するもの。それまではどこにも存在しない。


 人は存在しないものに己の中身を託そうとする。しかしそれはどこまでも不完全なものだ。そして、同時にそれは人間の不完全さを証明しているのだ。