風鈴製作者 空、その底辺でボソリ…(その305+347)

『究極的にはあらゆる作業は人の手から離れる』


 ※この日記は、風鈴製作者のそのときの気分によって内容が激変する可能性を孕んでいます。多趣味的人格(多重人格性とも言う)を認めない人にはきっと耐えられません。あしからず。


 蒼天已死 黄天当立(挨拶)


 いや別に普通に青い空であって、黄砂が舞うにはまだ早い。快晴にてうららかな気候。最近、ちょっと一月らしくない。
 某有名洋菓子メーカーの不祥事の煽りか、そこかしこで衛生面における不手際が指摘されている。今日、たまたま耳にした話だと、あるケーキメーカーの製品のひとつに髪の毛が入っていたとかで、全ての製品を出荷停止にしているらしい(現在進行中)。
 別にそういった不手際が露見したメーカーを糾弾するつもりも、また擁護するつもりもない。問題を指摘され、どの程度、反省や販売自粛するかなどは、当のメーカー側の問題だ。
 ただ、食べ物、ことに生のものが含まれる食品に関しては、所詮、人間の手が入っているものだ。どのように徹底管理しようとも、必ずどこかから適切でないことが行われる。何故なら、人間は失敗をする生き物であり、同時に怠ける生き物だからだ。
 例えば、ある食品を作るための食材を発注したとする。しかし、その発注者がたまたま勘違いし、必要以上に多く発注してしまった場合、どうしてもそれは余ってしまう。経営側からすれば、それらの余りは損益でしかない。当然、どんなことをしても余らせるな、という指示をするのが常だ。こういった指示に諾々と従ってしまうのは職務に対する怠慢だし、また指示に従わない者を安易に処分するようなことをすれば、それもまた監督責任上の怠慢である。さらに、バレなければいい、という姿勢は、顧客に対する営業努力を怠っている上に、自身の尊厳に対する冒涜であろう。――しかし、人間はそれらを無自覚に行う。そういう生き物なのだ。


 結局のところ、完全な衛生管理を目指すならば、製造ライン上に人間を関わらせなくするしかない。しかし今しばらくはそういったやり方はなされないだろう。現在の地球上には、無駄に多くの働き手がいるからだ。多分、あと80年くらいたったら、そういう感じになるのではなかろうか。